絆～義理の親子～ (ページ8)

今日:50 hit、昨日:21 hit、合計:2,562 hit

ページページ8

.

～

「今日から、部活動見学始まるからなー」

部活動見学か。

中学は、最初の方美術部に入っていたけど、みんな真剣で僕と全くもって気が合わずに、幽霊部員になってしまっていた。

「部活だって！」

「どこ行く？」

「はいはい！俺、陸上部」

「朔玖は陸上部ね。亜樹は？」

「僕はダンス部かな」

「太陽は？」

「あー、サッカーで」

中学は、朔玖がテニス。亜樹が男子バレー。太陽はそのままサッカーだった。

いいねぇ。楽しめるってさ

「詩は？」

「んー、いいや。帰る。んじゃ」

「え？詩…？」

～

太陽は気付いたかな？
幼馴染でずっと傍にいるヤツだし。

「辛いなぁ…」

正直、自分が何やりたいかなんて分からない。

髪を伸ばしてるのも大好きな父親が理由だった。
"髪さらさらで綺麗だなぁ。詩は、髪伸ばしても綺麗な子になりそうだな"

絵が好きなのも父親が絵が好きだったから。
"ここをこうやって書くんだよ。そしたら、ほら。猫ちゃん"

袖を捲り、左腕に未だ残る傷の痕。
これからも消えることの無い大きな跡。

～

「危ない！！詩！！」

「お父さん！！！」

消えない跡

.