人生最大の告白を/rbr VD ページ35
バレンタイン。
好きな人に思いを伝えられる日。
または、義理と称して(称さなくても)憧れの人にプレゼントを出来る日。
私にとってのバレンタインは両者だ。
だって、
｢ロボロさん！こんにちは！｣
｢Aちゃん、こんにちは｣
｢今日も素敵ですね！｣
｢え、あ、ありがとう、な？｣
ロボロさんに思いを伝えれて、しかもプレゼントが出来る…一石二鳥な日。
｢ロボロさんロボロさん、抱きついてもいいですか｣
｢え、えっ！？｣
｢そんな困った顔も可愛いです、ちなみに返事は聞いてないので抱きつきますよ、抱きつきますね！｣
私が抱き付くと、わたわたと慌て出すロボロさん。
あー、可愛い、本当可愛い。
この困った顔が見たくて、抱き付いたり、色々としてしまう。
｢Aちゃん、えっと今日はどうしたん？｣
｢あ、そうだ。あのですね、バレンタインなのでお菓子を作ったんです！ロボロさんだけに！｣
｢え、そう、なん…？｣
鞄から丁寧にラッピングした袋を取り出し、彼に渡した。
｢はい！これです！受け取ってください！｣
｢おん。ありがとう…｣
｢え、ちょ、ロボロさん照れてる！ヤだ可愛い写真撮っていいですか！？｣
｢えぇ！止めてや！｣
｢ちぇ…｣
せっかくのレアショットの瞬間だったのに…。
あ、そうだ。ロボロさんに気持ち伝えてないじゃん。
一番大切なことを忘れていた。
｢あ、そうだロボロさん。あのですね、えーと…好きです！｣
凄く真面目に言ったのに、彼には"またその冗談か"、という感じで返されてしまった。
毎日毎回言い過ぎたか…？
いや、でもこれは冗談じゃなく、本気だ。
それだけは否定しなければ！
｢ロボロさん、たしかに、バレンタインにロボロさんにしかお菓子を渡さないというのは冗談です。でも手作りなのはロボロさんだけですし、ロボロさんが好きなのは冗談じゃありません｣
｢っえ…？｣
｢言い方を変えます…えーと、あー…愛してます。結婚を前提にお付き合いをしてください｣
ああ、言ったら何か恥ずかしくなってきた。
結婚とか、変なこと言っちゃったし…。
あー自己嫌悪自己嫌悪。
何だかその場にいるのが申し訳なくなってきて、ダッシュで逃げた。
後ろからロボロさんの声が聞こえるけど、聞かなかったフリをした。
人生最大の告白を
走っている最中に、
彼からメールが来ていたらしい。
私がその内容を見て喜ぶまであと、
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作者名：ビリヤニ | 作成日時：2024年1月18日 19時
