深澤くんにはかなわない (ページ11)

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9話ページ11

翔太くんと初めて会ってから、一週間が過ぎた。

あの時、翔太くんと連絡先を交換してから、時々メッセージのやり取りをするようになった。

今日も、

しょっぴー部活疲れた。ふっかもヘロヘロになってる

しょっぴー【写真】

部活の休憩中だろうか。

練習着っぽいTシャツを着て、首からタオルを下げた汗だくの二人の写真が送られてきた。

大変そうだな。

Aお疲れ様。明日の試合までのもうひと踏ん張りだよ!頑張って!

しょっぴーありがと。がんばってくるわ

そんな会話をしていると、深澤くんからもメッセージが来た。

ふっかどーもー❗汗も滴るいい男、深澤辰哉くんです❗

A大丈夫?疲れで頭おかしくなった?

ふっかAちゃんひどすぎない?わら

A冗談だよ。明日の試合まであと少しだから、がんばってね!楽しみにしてるから。でも無理はしないでね

ふっかえ〜、心配してくれんの?ありがとー!疲れるけど、久しぶりにバスケすんの、めちゃくちゃ楽しいわ。わら。じゃあ、がんばってくるね〜

休憩時間が終わったのか、そこでメッセージは来なくなった。

しばらくしてから、阿部くんからメッセージが来た。

阿部ちゃんプレゼントだよ。明日の試合、楽しみにしててね

阿部ちゃん【動画】

送られてきた動画を見てみる。

試合形式の練習中なのだろう。

深澤くんと翔太くん、そして他の知らない男の子たちがバスケをしている。

二人とも青いビブスを着ているので、同じ青チームなのだろう。

翔太くんが、ボールをゴール下に運ぼうとしているけど、相手の赤チームの選手にブロックされて、進めなくなった。

すると、

〔深「翔太！」〕

少し離れた場所にいた深澤くんが、翔太くんに向かって叫んだ。

〔渡「ふっか！」〕

それを聞いた翔太くんは、すぐさま深澤くんへボールをパス。

ボールを受け取った深澤くんは、ドリブルで相手チームの選手を数人抜くと、ジャンプシュートを放った。

ボールはきれいな孤を描いて、ゴールに吸い込まれていった。

見事なスリーポイントシュートを決めた深澤くんは、少しドヤ顔だけど、とても嬉しそうだった。

〔渡「ふっかナイス！」〕

そう言って駆け寄ってきた翔太くんと、笑顔でハイタッチしていた。