深澤くんにはかなわない (ページ19)

今日:14 hit、昨日:9 hit、合計:32,314 hit

15.5話ページ19

深澤くんが、Aちゃんと翔太くんが仲良くなったことを知ったときのお話です。

深澤side

俺がそのことを知ったのは、ある日の休み時間のことだった。

教室で居眠りをしていると、近くでシャッター音が聞こえて、目が覚めた。

顔を上げると、必死で声を出さないようにして笑っている阿部ちゃんと、スマホを構えてニヤニヤしている翔太がいた。

深「おい、お前絶対写真撮っただろ。今すぐ消せ」

渡「え？撮ってないけど？w」

深「何笑ってんだよ。スマホ借せぇ！」

渡「あっ、ちょっ！」

翔太から奮い取ったスマホの画面には、俺の寝顔が映っていた。

しかもよく見ると、片目が少し開いて、半目になりかけている。

俺が固まっていると、手を伸ばしてきた翔太に、スマホを取り返された。

渡「だははっ！まじで面白いんだけどw せっかくだからAにも送ろー」

深「は！？何言ってんの！？ってか、何でAちゃんのこと呼び捨てで、連絡先まで知ってんの！？おい待て、やめろ！！」

必死に止めようとしたけど、一瞬間に合わず、Aちゃんに送信されてしまった。

もう送られてしまったことは仕方ない。

俺はそう割り切って、翔太を問い詰めることにした。

深「おい、翔太、何でお前がAちゃんの連絡先知ってんの。しかも呼び捨て！」

渡「この間会って、仲良くなったんだよねー。あ、返事来たよ。爆笑してる」

見せられた画面には、トーク画面が表示されていて、猫が大爆笑しているスタンプが送られてきていた。

Aちゃんのことを笑わせられたのは良かったけど、それがあの写真なのは、何だか複雑。

深「ねえ、阿部ちゃんはいつまで笑ってるわけ？」

阿「ごめんごめんwツボに入っちゃって」

今すぐAちゃんとゲームがしたいと思った俺だった。