【WT】まっしろなせかい【短編集】 (ページ4)

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イメチェン…みたいな？【kr】ページ4

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「あれ、A……？」

極寒に身を晒す私にかけられたのんびり呑気な馴染みのある声。私の名を呼ぶその声を聞いた瞬間、背筋にタラりと冷や汗が流れ、ヒクヒクと顔がひきつった。

「え、嘘…マジで？」
『ま、って、黙ってホント…！今すぐ目潰したら見逃すから！』

ニヤつく口角が全く隠せていないこのきりやんという名の同級生と、頭を抱える私がいるのは家から少し離れた神社の境内。

こんなことになったのはつい数週間前のことから話さないといけない。

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『み、巫女のバイトぉ？』
「そうなの！」

献上品らしき抹茶ラテと共に大学の友人が言ったのはそんな一言だった。

「時給いいから正月バイトしよっかなーって思ったけど、やっぱ1人でやるの怖くってさ！」
『だからって…なんで巫女？』
「時給1200円、交通費は1部負担。それよりなにより」

1度言葉を切った友人は、にやりと悪い笑みを浮かべる。私は思わず冷や汗が流れるのを感じた。

「巫女服が着れる」

ドヤ顔で言い放ったこの友人が、最近TLによくコスプレイヤーさんのRTを流してくることを思い出して、私はため息をついた。

『…………不純な動機だなぁ』
「いいじゃん！巫女服とか夢でしょ！ねーぇーお願いA！一緒に正月巫女バイトやろ！」

ゆっさゆっさ、と視界が揺れる。
まあ別に…正月暇なのは変わりないし、その神社は居住地域からやや離れた場所だ。そうそう知り合いにも合わないだろう、と私は口を開く。

『わかった、わかったから、揺らすのやめてよ！』
「ぃやったぁ〜！さっすが我が友A！だぁいすき〜！」

大袈裟に抱きついてくる友人を避けて抹茶ラテを啜りながら、私は脳内スケジュール帳の三が日に丸をつけた。

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と思っていたのは、まさに、言うなれば、見事なフラグ回収だったのだと気づいたのは、つい今しがたのことでした。

高校来の友人であるこのきりやんとかいう人間は、とんでもなくヤなやつである。私がそのメガネの奥のドヤ顔を、殴りとばしてやろうかと何度も考えたくらいには。……だけど、まぁ、異性の友人の中で1番話が合うのは誰かと聞かれれば、渋々名前をあげるくらいには親しい仲で。

でも、今回はどうも状況が悪い。

「ちょ、……ええ！何そのカッコ！」
『うっざ、うっざ、うっざ！！なんでここいんの！？』
「母親の実家がこっち方面だから、たまに初詣で来るんだよ。」

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