【d!】あああああ【短編集】 (ページ15)

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桃色の社ページ15

神的な夢主さんを書きたかった
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「...ここの神様は、俺が小さい時から居るんだ。」

＿＿神社迄至る長い石階段の途中、兄さんがそう言った。最初こそ鳥居の朱は落ち、本殿は管理されているかすら怪しい蜘蛛の巣だらけの所に御利益なんてモノ、神が宿っているのかすら疑いかけた。腐りかけた賽銭箱の底に硬貨の音が二回、二人で足並み揃え二礼二拍手一礼、子供ながらの漠然とした願いを心の中で唱う。...兄さんは何を願っているのかな。やっぱり刑事だし、かっこいいし。【人を守る】とか、そんな事を考えているのだろう。

『...自己犠牲。』

『＿＿彼は何時も人の事を願うんだ。自分の事は滅多に願わない。』

風が唸る。冬初めの木枯らしが肌を刺す。寒さに身震いすれば兄さんは願い終えたのか「帰ろうか。」と此方を振り向いては笑った。なにを願ったのかと問えば「言ったら叶わなくなっちゃう！」とまた笑顔ではぐらかすんだ。

『...自分は、天邪鬼な神様だから。貴方の周りの人じゃなくて、貴方だけ守ってあげる。』

『＿＿弟君、自己犠牲の兄をどうにかしてやって。』

一際大きな音で吹き抜ける風。そこに見掛けは俺と同年代程、ながら生きている年数不明の女の子がいた事なんて知らない。

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