37. ページ2
「SnowManに入る事決まって東京に出てくる時、大変やったからさ正直」
また、声色が変わった。
「色んな意見があって、なかなかダンスとかも最初ついていかれへんくて」
「Aちゃんが言ってくれた様に、ふっかさんにはほんまに助けられてん。ふっかさんだけやない、照兄も他の皆もこんな俺を受け入れてくれて」
雑誌やテレビでも聞いたことのある話。
SNSでも色々言われてたことは私も知ってる。
本人の口から聞くと、想像以上にリアルに感じて胸が締め付けられる。
「段々、応援してもらえるメッセージも増えていってさ。少しづつ、俺もここにいて良いんかなって自分のこと認められる様になって。失敗も多いしへこむ事も多いけど、それでも頑張ろって思える様になったんよ」
「ってごめんな何かいきなり語り出して！」
鼻の奥がツンとしてきて、何とかこぼれない様に耐えてたんだけど
耐えるが故にうまく返事が出来なくて
「…Aちゃん？」
『…っ』
「ちょ待って、泣いてる？！」
『泣いでま”ぜん…ずずっ』
「泣いてるやん！」
急いで鼻水をすする。
ごめん俺がこんな話したからやんな？！と電話口で焦る康二君に笑いそうになる。
あぁ、そうだこの人のこういうところが好きでファンになったんだと思い出す。
『康二君は、SnowManに必要な存在です』
『ファンは皆、ちゃんと見てますから。どんな康二君も』
だから、前を向いてずっと幸せでいて欲しい。
もっともっと上に登っていって欲しい。
「…Aちゃん」
『はい』
「これからも、ずっと俺のファンでおってな？」
『！もちろんですっ』
「……俺だけの、な」
『え？ごめんなさい聞こえなくて』
「ううん！何でもない。ほな、そろそろ切るわ。あったかくして寝や？」
もう一度お礼を言われて切れた電話。
静かになった部屋。
壁に飾っていたうちわに目を移す。
お礼を言うのはこっちの方なのに。
ファンでいさせてくれて、夢を見させてくれてありがとうって。
幸せをたくさん、ありがとうって。
＿＿向井side
切れたスマホの画面を見つめる。
勢いで電話して、思わず昔の話をしてもうた。
「…あかんよなぁ、こんなの」
心臓がドキドキうるさい。
あかんよ、俺のファンなんやから。
…照兄の、大事なコなんやから。
一人呟いた言葉は静かに部屋の中に消えていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2370人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mamemiya(プロフ) - みぃ。さん» こんにちは🤓康二君担さんでしたか！真っ直ぐなひーくんが目の前にいたらグッときちゃいますよね🥺作品の中では是非揺さぶられてください！笑 他の作品も是非宜しくお願いします☺️ (4月23日 12時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ。(プロフ) - こんにちは。完結おめでとうございます！私も主人公ちゃんと同じ康二担なので、もし私が同じ立場になったら、なんて妄想しちゃったりして。ひーくんの真っ直ぐな思いや、康二くんの切ない思いに心揺さぶられながら読みました。新しい作品、待ってますね☺️ (4月22日 18時) (レス) id: fb4296a570 (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - まあさん» コメントありがとうございます☺️！まぁ様からは他の作品の感想もたくさん頂けて嬉しく思っています🍀ひーくん漢！真っ直ぐ！って感じで良いですよね🥰他の作品もどうぞ宜しくお願いします🙌✨ (4月22日 9時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
まあ(プロフ) - こんばんは！mamemiyaさんの作風大好きで、毎回独り言ぶっ放しながら拝見してます😊今回も、良かった💛ひーくんは真っ直ぐ人を愛する感じがする✨また新しい作品期待してます🥰 (4月21日 21時) (レス) id: c613e7ffb3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mamemiya
| 作成日時：2024年4月7日 3時
