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「ルナじゃないか! 今日は街に来る気になったんだね」

「まあね。君は相変わらず1番に来てくれるんだね、カイラ」



市場の自分の持ち場で、自慢のポーションを並べ終えると、椅子に腰かけ本を読む。

しかし、1ページ読み終わるか終わらないかくらいに必ず現れるのがこの男、カイラである。



「なんてったって、君のポーションほど質のいいものはないからね。売り切れる前に来たいんだ」

「随分と贔屓にしてくれてるんだね」

「もちろん!」



カイラは、ある程度名の知れたパーティの片手剣のアタッカーで、ランカーでもあるらしい。

ちなみにランカーは、冒険者協会による冒険者の順位付けにおいて、上位20人のことを言う。

つまりカイラは少なくともこの国では20番以内の強さを持つということだ。

しかし実際は、誰もが冒険者協会に属している訳ではなく、無所属のまま個人で活動をしている層もいるため、100%正確な順位というわけではない。

とはいえ、冒険者協会に属している人間が相当数いるのは事実で、ランカーになることは至難の業だから、カイラがかなりの凄腕であることは間違いない。

彼のパーティには、魔法使いのヒーラーとタンクがいて、3人編成で様々な高難易度ダンジョンや依頼をクリアしてきたらしい。



「何せうちにはアタッカーが自分しかいないからね。君のポーションには本当に助けられてるよ」



たしかに、最近は4人のパーティが多く、物理アタッカーの他に、サポーター兼サブアタッカーとして、マルチに行動できる魔法使いを入れる傾向がある。

カイラのパーティにも魔法使いはいるが、ヒーラー専属で攻撃は得意ではないらしい。

そのため、カイラは攻撃力を高めるポーションをよく買う。

他にも、魔力を回復する魔法使いのためのポーションや、体力を増幅するポーションなんかも買うことがある。

上位のパーティはほとんどが4人か5人編成なので、いくらランカーのカイラがいるにせよ、3人編成でそこに肩を並べているのは凄いことだ。

一人一人の相当な技量と、密な連携が不可欠だろう。



「今日はどんなポーションを探してるの?」



私が聞くと、カイラはニコッと笑った。

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設定タグ:異世界 , 魔法使い , 冒険   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:星月未来 | 作者ホームページ:https://mypage.syosetu.com/2614418/  
作成日時:2024年4月18日 19時

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